演出家 原  純  Biography

   東京都出身。洋画家の母の影響で、高校時代は舞台美術家志望であった。桐朋学園大学演劇科卒業。劇団四季研究所、ロンドン王立演劇院短期コース修了。大学時代より演出の活動を開始したが、劇団四季を経てダンサー・舞台俳優として舞台のキャリアをスタート。後に新国立劇場を中心に数多くの作品に出演。同時に演出家デヴィッド・ルボー、オペラ演出家ペーター・コンヴィチュニー各氏に師事、演出を専門的に学ぶ。

  近年、オペラを主に「カルメン」(文京シビックホール開館15周年記念公演)、「ドン・ジョヴァンニ」(ジョナサン・ノット指揮・ミューザ川崎シンフォニーホール)、「フィガロの結婚」・「コジ・ファン・トゥッテ」(両作品共に河原忠之氏指揮・国立音楽大学コレペティートルコースオペラ公演他)、「椿姫」「ランメルモールのルチア」「ボエーム」「愛の妙薬」グノー作曲「ロメオとジュリエット」「道化師」「友人フリッツ」、「アンナ・ボレーナ」、プッチーニ・三部作(「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」)「蝶々夫人」「リゴレット」「魔笛」、喜歌劇「こうもり」、「天国と地獄」「ヘンゼルとグレーテル」、プーランク「声」、メノッティ「電話」ラヴェル「子供と魔法」等の数多くの作品の演出を美術・衣裳と共に手掛ける。いずれにも共通する独自の解読を示しながらも作品の本質を捉えた劇的な演出に、精緻で美しい舞台は多方面より高い評価を得ている。2024年4月ジ・インペリアルオペラ・藤原歌劇団公演「トスカ」において藤原歌劇団への演出家デビューを飾り、続いて2024年6月藤原歌劇団公演「カルメン」(受諾公演・昭和女子大学人見記念講堂 )の演出も手掛け好評を得る。

 オペラ以外ではミューザ川崎シンフォニーホールに於いてのミュージカルのナンバーをメインのプログラムとしたジルベスターコンサート(東京交響楽団、指揮は秋山和慶氏)の構成(台本執筆)・演出・振付も2014・2015・2017・2018年と手掛け、2022年には劇団四季の同期で日本を代表するミュージカル俳優・福井晶一のデビュー25周年を記念したショー「福井晶一25th Anniversary Dinner Show ~Dreaming~ 」(東京會舘)を演出。また2024年5月、金沢の音楽の祭典「ガルガンチュア音楽祭」においてミュージカルの楽曲をメインとしたふたつのコンサート(指揮は広上淳一氏、天沼裕子氏、沼尻竜典氏)のプログラムの構成・監修を手掛ける。

 2023年1月には念願であった三島由紀夫の戯曲を演出(「燈台」Yukio Mishima The Cup of Apollo Theater Project・三島由紀夫作品上演団体 アポロの杯シアター主催)。緻密に練り上げられた巧みな演出と好評を得る。


  師であるオペラ演出家ペーター・コンヴィチュニー氏からの要請でドイツで出版された氏の研究本「Peter Konwitschny. "Mensch, Mensch, Mensch!" Oper als Zentrum der Gegenwart. Andrea Welker・2015」において、氏の日本における演出アカデミーの活動とオペラ演出技法についての考察を執筆。

  2019年12月、東京藝大、東京藝大COI拠点主催 「藝大21 七感で楽しむシアターSounding Seven Senses」 (世界初演・東京藝大奏楽堂)の演出を手掛け、世界的に活躍する作曲家・藤倉大と華麗なパフォーマンスで人々を魅了する義足のダンサー大前光市のコラボレーションによる独創的な新しい舞台の成功に貢献。後日その制作過程を追ったドキュメンタリー番組がNHK-Eテレにて放送される(ハートネットTV「七感で感じる音楽とダンス  藤倉大×大前光一」)。同じく東京藝大COI拠点、横浜みなとみらいホール主催の最先端のアートプロジェクト、インクルージョンコンサート「きこえる色、みえる音」(2021年1月・横浜赤レンガ倉庫ホール)において、再びダンサー・大前光市をメインとしたパフォーマンスの舞台の総合演出を手掛け、演出家としての新境地を開いた。

  舞台公演の構成台本も数多く手掛けており、2022年秋に行われたクラシック・キャラバン2022「クラシック音楽が世界をつなぐ・煌めくガラコンサート」(文化庁総括団体によるアートキャラバン事業)香川県・高知県公演の構成台本を執筆。

 今後の目標はドニゼッティ作曲・オペラ「アンナ・ボレーナ」、「マリア・ストゥアルダ」、「ロベルト・デヴリュー」の女王三部作、ヴェルディ作曲「ドン・カルロ」、シュトラウス作曲「サロメ」、三島由紀夫、泉鏡花、ジャン・ジロドゥ、アントン・チェーホフ、テネシー・ウィリアムズの戯曲、美しい日本語によるオペラ、ミュージカルの作品の演出を手掛けること。

 最新の情報はFacebook、Instagram、Twitterにても公開中(ホームページ・トップメニューよりアクセス可能)。

ACT JPエンターテイメント株式会社所属
http://www.act-jp.co.jp/